非接触ICカードのエラー防止製品 「フラックス」/よくあるご質問 Q&A

  フラックスは非接触ICカードのエラーを防ぎます 【特許技術採用】

what is flux?

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最近では、一般的になった非接触ICカードですが、馴染みが深いものではJR東西が発行している「Suica(スイカ)」・「ICOCA(イコカ)」、首都圏の私鉄・バスのパスネットで使用できる「PASMO(パスモ)」。スルッとKANSAI協議会が発行している「PiTaPa(ピタパ)」、電子マネーの「Edy(エディ)」・「nanaco(ナナコ」)などですね。

他にも、航空会社の発行する「ANAカード」や「JALカード」などのマイレージポイントカードをはじめ、住基カードや免許証、パスポートなどの公的認証書類にも採用されるなど、その発行枚数は分野を問わず飛躍的に増え続けています。


非接触ICカードの特徴

今までのICカードと何が違うのかというと、文字通り非接触で電波を使ってリーダーライター(読取機)と交信することでデータの読み書きをができること。

RFID(Radio Frequency Identification)というシステムを利用しているのですが、日頃から使い慣れたカード形状にすることで誰でも違和感なく使うことができます 。

もっとも大きな特徴は、かざすだけという簡単な使用方法で、上下裏表に関係なく使えるので、一般の方はもちろんですが、視覚障害のある方などにもやさしく、定期入れから取り出すことなく近づけるだけで反応する非常にバリアフリーなシステムといえます。

また、導入する側のメリットとしては、メンテナンスが容易であることや、磁気カードに比べてセキュリティ・レベルが高くユーザーに対して安心感を提供できると言う意味でも魅力があるようです。

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非接触ICカードの規格

非接触ICカードには色々な規格がありますが、一般的に13.56Mhzの周波数帯を使用するカードではISO/IEC14443に定められる国際標準規格のタイプA、タイプBがあり世界中で普及しています。日本国内ではタイプCとして認知されているソニー㈱の「FeliCa(フェリカ)」が最も知名度が高いでしょう。

「スイカ」・「パスモ」・「イコカ」・「ピタパ」・「エディ」・「ナナコ」などはすべてこのフェリカのシステムを採用しています。
このほかにもANAやJALのマイレージカードなども非接触ICカードでクレジット機能が付いているものなどフェリカを採用しているカードは非常に多数あります。

それぞれの特色を簡単に説明しますと、

■FeliCa
ソニー株式会社が開発したフェリカが最も得意とするのは処理速度の速さでしょう。もともと海外でその実力が認められ、香港の「オクトパス」というICカード乗車券などに採用されていました。その後、JR東日本が「スイカ」に採用するシステムを検討する際、海外も含む各開発業者に課した課題が0.1秒以内の処理という非常に困難なものでしたが、それを技術的にクリアすることができたのはフェリカだけだったと言われています。

■TypeA
タイプAはオランダのフィリップス社で開発された「Mifare(マイフェア)」をはじめヨーロッパを中心に広く普及しています。メモリーのみでCPUが搭載されていないタイプなどは低コストで生産できることから使い捨てのテレフォンカードなどで普及しました。日本ではローコストで導入できることから企業のオフィス入退室の管理用などにも良く使われるようです。

■TypeB
タイプBは米国モトローラ社によって開発され、日本では住基カードやIC運転免許証などに採用されています。セキュリティレベルが高いため公的認証や金融サービスで使われることが多く、銀行のキャッシュ・カードなどにもこのタイプが採用されることが多いようです。

これ以外にもISO/IEC15693に定められる通信距離の長い近傍型の規格もあり、物流のタグに使われるのが主流ですが、企業内の入退室管理などにもよく採用されています。

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非接触ICカードの仕組み

簡単に仕組みを説明しますと、まずカードのリーダー・ライターから磁界(半径が10cm程度)が発生しています。ICカードがこの磁界を通過する際にカード内部のコイルが磁気を受けて電流を発生します。
そして、その電気を利用することでカードに埋め込まれたICチップが起動し、リーダー・ライターと交信し、データのやり取りが可能になるという仕組みです。

『ファラデーの法則』を用いた、電磁誘導という素晴らしい仕組みを活用しているので、電池などの電源がなくても作動します。 

カードの内部にはインレットシートという薄いシートがはさまれていて、そのシートに渦巻状のコイル(アンテナ)が印刷され末端にICチップが接続されています。この他にもメモリーや変調回路、共振回路などが配置されますがここでは説明を省きます。

このコイルの内側をリーダー・ライターから発振された磁束が通過する際に、コイルに誘起電力が発生しICチップが起動するのですが、コイルに電流が流れることで、リーダー・ライターより受けた磁束とは逆向きに磁界が発生し反磁界としてリーダー・ライターへ帰されます。この反磁界を搬送波として変調されたデータ信号が送られ、復調・解読されてデータの更新が行なわれます。

また、ICチップが起動するために必要とされる電圧は通常3~5ボルトあれば充分とされ、必要最小電圧が確保できるようにコイルの設計がされます。ただし、カード製造上の誤差や個体差によるバラつきは避けられないようです。

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電磁誘導とは?

磁気現象の変化が電流に影響を及ぼすと考えたファラデーは磁性コアに巻き線をしたふたつのコイルで実験をしました。

その結果、一方のコイルに電流を流すともう一方のコイルも起電して電流が発生し、流す電流の強さを変えるともう一方のコイルの電圧が変化することを発見しました。

非接触ICカードはこの「ファラデーの法則」を利用して、リーダー・ライターのアンテナコイルに電流を流すことで磁束を発生させ、その磁束を受けた非接触ICカードのコイルが電磁誘導により起電し、発生した電流によりICチップが交信するという仕組みになっています。

これにより非接触ICカードのチップは電池などの電源を必要とせず、リーダー・ライターが発する磁界の中に入ったときだけその機能を発揮することができます。

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スキミングの危険性?

交通系以外でも各種クレジットカード、銀行のキャッシュカード、病院のカルテなど分野を問わず非接触ICカードに移行していきます。それに伴い、カード内部に蓄積された情報をスキミングなど外部からの不正なアクセスから守る必要性が高まっています。

非接触ICカードのスキミングが可能かどうかという議論がインターネット上で散見されますが、非接触ICカードの利点である通信によるデータの授受という機能を利用し、人ごみの中や、満員電車の中でバッグや上着の外からハンディタイプのリーダーをかざすことで情報を読み取ることは技術的には可能です。

もちろん、各ICカードに暗号鍵、セキュリティプロトコルの使用などの対策はされているので、情報の改ざんやなりすましは今のところ困難かもわかりません。
しかし、金銭的被害のみならず、これだけ個人情報の保護に対する意識の高まりを考えると利用履歴や基本情報だけでも漏洩することは避けたいところでしょう。

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※ 「Suica(スイカ)」はJR東日本の登録商標です。
※ 「ICOCA(イコカ)」はJR西日本の登録商標です。
※ 「PiTaPa(ピタパ)」はスルッとKANSAI協議会が提供するIC決済サービスです。
※ 「PASMO(パスモ)」は株式会社パスモが発行・運営するICカードによる決済サービスです。
※ 「FeliCa(フェリカ)」はソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式です。
※ 「FeliCa(フェリカ)」はソニー株式会社の登録商標です。
※ 「Edy(エディ・カード)」はビットワレット株式会社が運営する電子マネーサービスです。
※ 「iPhone」はApple Inc.の商標です。

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改札イメージ

改札のカード・リーダライタからは常に磁力線(磁束)が発振され磁界を形成しています。

非接触ICカード構造

中心には、印刷またはエッチングによってコイル(アンテナ)が配置されICチップを格納した非常に薄いインレット・シート。
表面はICカードの図柄が印刷される化粧用のオーバーレイ・シートで覆われます。
非接触ICカードの大きさはJIS規格で定められており、基準として85.6mm×54mm×0.76mmが使われています。








電磁誘導イメージ


電磁結合イメージ







スキミング・イメージ